ハカは、相手に対する敬意と仲間の結束、自らを奮い立たせるために行います。
自分たちが最強の戦士であると、威嚇を込めたニュージランドの先住民の部族に伝わる、
戦場に向かうための儀式です。
ニュージーランド代表、オールブラックスはラグビーの国際試合に、”ハカ”を行います。
伝統を重んじ、”正々堂々と戦おうじゃないか”と言う姿勢が感じられ、今から始まる決戦を演出しています。
大観衆の目はその演舞に注がれて、危機感迫る迫力に圧倒されます。
一体、彼らはなんと言っているのか?
演舞にはどういった意味があるのか?と知りたくなりました。
また、ハカを受ける側も一定のルールがあります。
ある種、挑発行為にも感じられる節もあるため、試合前の乱闘を避ける処置なのでしょう。
昨今、何かと規制が多くて不自由さを感じる事が増えましたが、このような伝統は規制されないように残していって欲しいと思います。
ニュージーランドの先住民、 マオリの戦士に伝わる舞
一言に”ハカ”と言っても様々なシチュエーションで用いられています。
ラグビーの対戦前に行われる印象が強いので、戦いの前に行う儀式と勘違いしてしまい易いですね。
”ハカ”とはマオリの戦士が戦いの前に自身の力を外的に知らしめる為の舞とされています。
今では様々な祭典、冠婚葬祭や歓迎、卒業式などの式典に披露される事が多い。
つまりは相手に対する敬意や感謝、威嚇、追悼など気持ちを舞で表現したものである。
ラグビーに最初に”ハカを”を取り入れたのは、1888年にマオリを中心とする
ニュージーランド・ネイティブズだとされています。
1905年にオールブラックスが国際戦で披露することとなり次第に有名になってきました。
当初は舞が出来ない選手がいたり、動きが揃わなかったりしたそうです。
今では”ハカ”を舞う為の練習時間があるようです。
優勝候補の常連である上にラグビーの練習以外に舞のために時間を割くなんて王者の証でしょうか!
それとも”ハカに”強さの秘密が隠されているんですかね。
以前はウォークライと呼ばれていましたが、最近では語源である”ハカ”が一般的になってきたように
思います。
ニュジーランドで”ハカ”を見れる場所があるようで、一度ライブの”ハカ”を体験するのも
迫力があっていいかも知れませんね。
ハカはなんと言っているのか?日本語の歌詞に迫る
ニュージーランドには2種類の”ハカ”があります。
1つはカマテで、もう1つは”カパ オ パンゴ”です。
今回は有名なカマテの歌詞の紹介をします。
私は、カマテを聞くと現地の先住民族のパワーを感じます。
カマテ
Taringa whakarongo! 耳を澄ませ!
Kia rite! Kia rute! Kia mau! 準備! 整列! 起立!
Hi! 立ち上がれ!
Ringa ringa pakia! 手でモモを叩け!
Waewae takahia kia kino nei hoki! 力の限り地面を足で踏み鳴らせ!
Kia kino nei hoki! 力の限り!
Ka mate, ka mate 私は死ぬ 私は死ぬ
Ka ora’ Ka ora ‘ 私は生きる 私はいきる
Ka mate ka mate 私は死ぬ
Ka ora’ Ka ora’ 私は生きる 私は生きる
Tenei te tangata puhururuhuru ここに毛深い男が立ち
Nana ne I tiki mai whakawhititera 太陽を呼び寄せ 我が身のその光を
A Upane! Ka Upane! 乗るなら今だ!乗るなら今だ!
A Upane Kaupane” 最初の1歩を踏み出せ
Whiti te ra,! 太陽のひかりを!
Hi! 立ち上がれ!
カマテは1820年に頃に テ・ラウパラハが作ったとされています。
氏は隣接する部族との争いで逃れ、遠縁に当たる部族の集落でかくまってもらいます。
その時の恐怖と希望、恩人に対する感謝を表したのが由来だそうです。
カパ オ パンゴの歌詞の意味は?
カパ オ パンゴのハカが行われた時は、ちょっと得をしたような気分になります。
オールブラックスが、特に大事な試合に演じられる事が多いからです。
kapa o pango = 黒い服の戦士と銀の羊歯 = オールブラックスとなるようです。
黒い服の戦士とはオールブラックスのユニフォームカラーですね。
銀の羊歯とは、シルバーファーン、ニュージーランドの国章です。
故に、kapa o pango はオールブラックスを意味するというようですね。
それでは、どんな歌詞なのか見ていきましょう。
Kapa O Pango
カパ オ パンゴ
Taringa whakarongo! 皆の者 よく聞け!
Kia rite! Kia rite! Kia mau! 戦いに備えよ ! しっかりと立て!
Hi! ヒー!
Kia whakawhenua au i ahau! 大地と一体となれ!
Hi, aue! Hi! ヒ、アウエ!ヒー!
Ko Aotearoa, e ngunguru nei! 激しく鳴り響く我らの国よ!
Hi, au! Au! Aue, ha! Hi! 今こそ、我が立ち上がる時だ!
Ko kapa o pango, e ngunguru nei! それこそが、オールブラックスである証!
Hi, au! Au! Aue, ha! Hi! 今こそ、立ち上がる時だ!
I ahaha! 輝く時だ!
Ka tu te ihi-ihi 恐怖に立ち向かえ
Ka tu te wanawana 恐怖と戦え
Ki runga i te rangi, e tu iho nei,tu iho nei,hi! 天まで届く勢いで戦い上がれ、高みを目指せ!
Ponga ra! シルバーファーン!
Kapa o pango! Aue,hi! 我らはオールブラックス!
Ponga ra! シルバーファーン!
Kapa o pango! Aue, hi! 我らはオールブラックス!
Ha! ハッ!
正に、オールブラックスを象徴する内容となっていますね。
”カパ オ パンゴ” は、2005年に初披露された新しいハカです。
この年に何が重要な事があったのかもしれないですね。
歌詞の中で登場する ”ponga”シルバーファーンですが、ニュージランドに自生する植物のシダです。
緑色のシダはよく見かける事がありますが、白銀色のシダだということです。
とても珍しいですね。
木の葉っぱと勘違いしている人が多いようです。
ウォークライはどこの国が行っているのか紹介します
ニュージーランド以外ではフィジー、サモア、トンガ、またこの3カ国の選抜チームでもある
パシフィックアイランダーズの合計5チームが対戦前にウォークライ(ハカ)を行います。
共通項としてニュージーランド近海の島国です。この地域一体には民族の習わしがあるのかも
知れませんね。
フィジーのシビの詳細はこちらです。 是非、チェックしてみてください。
トンガのシピタウの詳細はこちらです。 是非、チェックしてみてください。
サモアのシヴァタウの詳細はこちらです。 是非、チェックしてみてください。
日本でも戦国時代には名乗りをあげて戦う事がありました。
そんな風習、文化の背景も国が違えば様々です。
ラグビーを通じ異文化を知ることができることは、素晴らしことではないかと思います。
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